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sakiori

mitsukoori 裂き織りのしくみ
Step 1. 整経台で経糸を作る
経糸(たていと)の全体の長さや1cmに何目経糸を配置するか、経糸の色の組み合わせ、経糸に使う糸の質感や太さ、などを考慮しつつ経糸を作ります。
充子織の場合、ざっくりと目の粗い経糸にすることも多く、1cmに5本から8本の経糸を入れる計算で経糸の本数を決めてます。
例えば、今回は1cmに7本の経糸を通し、織物の幅は42cm。
7目×42cm=294本。
織物の強度を増すため両サイド8目分2本どりの経糸にします。
294本+(8目×2)=310本の経糸となります。
用意した経糸は紺と紫の計6本から310本にするには、
310÷6=51.6666… 約52
経糸の長さ6m分を作るには、6本で52回6m分を繰り返し経糸が出来上がります。
こんな風に計算して経糸の本数や長さを決めていきます。

これが整経台です。幅1.5mあり、
左図の ように、4回行き来すると
経糸の全長が6mになります。

綜絖(そうこう)の穴に一本づつ糸を通します。
細かな手作業がつづきます。
整経台で作ったこの綾を上下に分け、綜絖に一本一本通していきます。充子織では、太い糸でざっくりとした裂き織をするので、300本~500本の経糸ですが、着物などは細い絹糸を使い一万本近い経糸となります。

Step 2. 綜絖(そうこう)通し
綜絖というのは、経糸を上下に分ける仕掛けです。単純な平織では2枚の綜絖を使います。
ピアノのように足元のペダルとつながっていて、踏むと片方の綜絖が下がり、その間を緯糸(よこいと)が通ります。
織り始めるまでの仕掛けが手間のかかる大切なところです。経糸の順番を間違えないよう通していきます。

Step 3. 筬(おさ)通し
筬は写真のように櫛型のものです。綜絖を通した経糸を今度は筬に通します。
織物の幅や経糸の本数で一つの溝に何本通すか変わってきますが、充子織のざっくり系では一本づつ入れていきます。
両脇8目は強度を増すため2本づつ入れています。
足元のペダルを踏み、綾ができ、そこを緯糸が通り、この筬を手前に引きとん、とん、と機織り特有のあの音が出てきます。
筬通しで糸を引っ掛け溝に通すためのへらのようなこの道具はヤハズ(矢筈)といいます。
Step 4. 織りつけ
経糸を小さい束に分け、機織り機に結んでいきます。
糸の張り具合を調節しながら、経糸全体を整えます。
経糸の張りに強弱があると織りむらや弛みがでしまいます。
織り始めは経糸も不安定なので、織りながら調子をみていきます。
こんなふうにして裂き織りは仕上がっていきます。


ここが筬のところです。緯糸を通し手前に引き、とんとんと均します。
ここが綜絖です。
足元のペダルで高低差ができま す。